湘南だけがスラムダンクの聖地じゃない。
王者・山王工業のルーツをたどるなら、秋田へ――。
スラムダンクとは?
『スラムダンク』は、井上雄彦先生によるバスケットボール漫画です。
不良少年・桜木花道が「天才」を自称しながら、仲間たちと成長していく青春ストーリーで、1990年代の連載当時から今まで、世代をこえて愛されています。
週刊少年ジャンプで連載 コミックスは日本だけで1億冊以上の大ヒット 2022年には映画『THE FIRST SLAM DUNK』が公開され、再ブームに
物語の舞台は主に神奈川県・湘南エリアですが、最強のライバルとして登場するのが「山王工業高校(ヤマオー)」です。
じつは、この山王工業にはモデルとなった高校が秋田県にあると言われています。
山王(ヤマオー)工業ここにあり!

山王工業高校のモデル、能代工業高校について
ファンのあいだで山王工業のモデルとされているのが、秋田県能代市にある能代工業高校(現在の「能代科学技術高校」)です。
伝説級の成績
能代工業バスケットボール部は、高校バスケ界で「伝説」と呼ばれるほどの成績を残してきました。
インターハイ優勝:22回 国体優勝:16回 ウインターカップ優勝:20回 ⇒ 3大会あわせて 全国優勝58回
さらに、
インターハイ7連覇 インターハイ・国体・ウインターカップの高校3冠を3年連続で達成
という、とんでもない記録も持っています。
映画でも活躍する田臥勇太選手も能代工業の出身で、在学3年間すべてで高校3冠を達成したことでも有名です。
作中で“全国制覇3連覇の王者”として立ちはだかる山王工業は、まさにリアルの能代工業を重ねた存在と言ってもいいかもしれません。
沢北や河田が暮らす高校バスケの聖地・能代

ここからは、スラムダンクファン目線で「秋田・能代と由利本荘をどう巡るか?」をイメージしながら、聖地スポットを紹介していきます。
■ 能代市 ー ヤマオーの“ホームタウン”を歩く
能代工業(現・能代科学技術高校)がある秋田県能代市は、市ぐるみで「バスケの街」を掲げてPRしているほど、バスケットボールと縁の深い地域です。

能代バスケミュージアム
まず外せないのが、能代市中心部にある能代バスケットボールライブラリー&ミュージアム(能代バスケミュージアム)

能代工業(能代科学技術)の優勝トロフィーやユニフォーム 日本・世界のバスケットボールに関する書籍やグッズ 秋田のプロチーム「秋田ノーザンハピネッツ」関連展示 など
が展示された、バスケ好きにはたまらない施設です。
基本情報(※一部抜粋)
住所:秋田県能代市柳町5-20 入館料:無料 営業時間:9:30〜18:00 休館日:年末年始(12/29〜1/3) アクセス:JR能代駅から徒歩約15分
館内には大型スクリーンもあり、往年の名試合の映像なども楽しめます。
展示を見てから『スラムダンク』の山王戦を読み返すと、「王者の重み」が一段と増して感じられるはずです。
街なかの“バスケの街”演出

能代市では、バスケットボールを活かしたまちづくりにも力を入れていて、
大会会場に掲げられる横断幕やイベント、PRブースなど、街全体で「バスケの街・能代」を盛り上げています。
街を歩くと、さりげなくバスケ関連のモチーフが目に入るので、
「今、自分はヤマオーのホームタウンにいるんだ…」という実感がじわっと湧いてきます。
森子大物忌神社(もりこおおものいみじんじゃ)
映画『THE FIRST SLAM DUNK』のなかで、山王工業のエース・沢北栄治が参拝する神社の風景にそっくりだと話題になり、一気に聖地として知られるようになりました。

場所:秋田県由利本荘市 鳥海山へと続く登拝道の入口にあり、修験の拠点となってきた神社 秋田杉に囲まれた境内は昼でも薄暗く、神秘的な雰囲気 一の鳥居から社殿までは約300段の石段が続く本格派の山の神社
公式観光サイトでも「映画のシーンにそっくり!」と紹介されており、多言語でアクセス案内が掲載されています。
ただし、あくまで“モデルではないかと言われている場所”であり、映画制作側が公式に「ここがモデルです」と発表しているわけではありません。
現地を訪れるときは、神社や地域の方に迷惑にならないよう、マナーを守って参拝しましょう。
さいごに ー スラムダンクファンが秋田に行く理由
湘南の海と江ノ電も、もちろんスラムダンクの大切な聖地。
でも、それだけじゃありません。
高校バスケ界の絶対王者として君臨した能代工業(現・能代科学技術高校) その歴史を感じられる能代バスケミュージアム 映画で話題になった、森の中の神秘的な森子大物忌神社
こうした場所を歩いてみると、
山王工業というチームの「重さ」や、「沢北たちが背負っていたもの」が、少しだけ身近に感じられるかもしれません。
湘南だけがスラムダンクの聖地じゃない。
王者・山王工業のルーツをたどるなら、秋田へ――。
そんな視点で、次の旅行先に秋田を選んでみてはいかがでしょうか。
